Adobe Creative Stationの連載「知ってるようで、知らずに損してるAcrobatとPDFのアレコレ」にて公開した『校正で使うPDF』の補足

この記事は鷹野雅弘によって執筆されました。
公開日:2017年11月26日、更新日:2017年12月 1日

Adobe Creative Stationで鷹野 雅弘(スイッチ)が連載している「知ってるようで、知らずに損してるAcrobatとPDFのアレコレ」で公開された『校正で使うPDF』の記事の補足です。

「注釈」ツールという用語の是非

Acrobatで校正指示を使うには「注釈」ツールを用います。以前から言い続けていますが、まず、この「注釈」という用語がアドビ語です。

辞書.appには、次のように記載されています。

  • ① 語句や文章の意味をわかりやすく解説すること。また,それをした文。「古典を―する」「―を加える」
  • ② 補足的な説明。

いずれも「校正指示を入れる」というニュアンスはありません。内容に関して補足するという意味では、うなづける部分もありますが、注釈ツールで実現するのは、校正ワークフローです。

Acrobatを使った校正ワークフローの難点

Acrobatを使った校正ワークフローは校正を入れることばかりに重きが置かれており、それを実データに反映する部分が少しばかりおろそかです。

せめて、「InDesignから書き出したPDFへの注釈は、なんらかのカタチでInDesignに反映できる」くらいできないと、純正のPDFツールとして、また、歴史の長さを考えると悲しい。

ツール名の日本語がこなれていない

実は、注釈ツールのツール名。正確には、どこにも記載されておらず、各ツールにマウスオーバーしたときのツールチップと、注釈を実行した後、注釈パネルに表示される名称が手がかりです。

  • [テキストに取り消し線を引く]ツールは、実際には、テキスを削除する指示のこと。原稿上に取り消し線を残すケースも考えられるため、これは[テキストを削除する](トルツメ)が望ましい
  • [テキストに取り消し線を引く]と[テキストを置換]が並んでいるが、前者に合わせるなら[テキストを置換する]
  • [テキストに下線を引く]は、下線を付けるという修正指示なのか、それとも「ここですよ!」という意味の下線なのか… ややこしいので、このツールはなくしてしまうのが望ましい
  • 「ノート注釈」って何なのか? 日本語としては「注釈ノート」または「ノート」でよい
  • [テキスト注釈]は、Acrobat上、テキストのように入力されるが、実際には校正指示の一環としてのテキスト。
 ツールチップ上注釈パネル
現状 改名候補現状 改名候補
ノート注釈を追加ノートを追加(非表示)ノート
テキストをハイライト表示テキストをハイライト テキストをハイライト 
テキストに下線を引く下線テキストに下線を付ける(ツールごと削除)
テキストに取り消し線を引く取り消し線テキストに取り消し線を引くテキストを削除
置換テキストにノートを追加テキストを置換テキストを置換テキストを置換
カーソルの位置にテキストを挿入(ママ)挿入テキストテキストを挿入
テキスト注釈を追加注釈テキストを追加テキスト注釈注釈テキスト
テキストボックスを追加注釈テキストボックスを追加テキストボックス注釈テキストボックス
フリーハンドの線を描画(ママ)鉛筆フリーハンドの線
描画を消去フリーハンドの線を削除(なし)(なし)
スタンプを追加 スタンプを適用(ママ)
新規添付ファイルを追加添付ファイルを追加ファイルを添付(ママ)

校正者名

Acrobatで校正指示を行うと、[作成者]には校正指示を行っているPCのログイン名が入力されます。

表示される作成者の情報を変更方法が面倒ですし、すでに入れた校正指示名を一括で変更することができません。

境設定の[ユーザー情報]には「姓」や「名」、「会社名」の入力欄があり、「ユーザー情報は注釈、レビュー、電子署名で利用されます」と記載されていますが、注釈の「作成者名」としては利用できません。

ここの情報を参照するような機能があってしかりです。

作成者名/レビュー担当者

[注釈]パネル内、注釈を並び替え(ソート)時には「作成者」、注釈を絞り込み(フィルター)時には「レビュー担当者」のように揺れています。

SharePointサーバー?

こちらの記事を読むと共有レビューを行うには、SharePointサーバー推しのようです。

アドビでは、SharePointを使って、共有レビュー設定を行っています。任意のSharePointサブサイトを注釈のアップロード先として指定することで、Office 365アカウントにログインすれば、いつどこからでも注釈を残すことが可能です。

SharePointサーバー推しのようなニュアンスですが、すでにOffice 365 Business Premiumなどのアカウントを持っている方以外は、別途、契約やコスト、また、設定の手間が生じます。

レビューの共有方法がいろいろありすぎる

レビューの共有方法には、次の5つがあります。

  • 校正指示の入ったPDFを渡す
  • データファイル(FDF)を渡す
  • 注釈の一覧(PDF、またはプリントアウト)を渡す
  • 送信とトラック
  • 注釈用に送信

この中でも同時編集したり、また、結果を一元管理するには、「送信とトラック」、「注釈用に送信」に軍配が上がりますが、これもダブるところがあり、また、フローや用語が理解しやすいとはいえません。

「後から追加された機能を簡単に消すわけにはいかない」のは当然ですが、整理すべきでしょう。

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