InDesignでの原稿の流し込み時の長年の問題が解決した
InDesignで原稿を流し込む際(主に、段落単位に差し替えるような場合)、次(「何が困るのか」)のような現象があり、なんとかならないものかと長年思っていました。
こういうの困っていませんか?と、いろいろな人に相談してみるのですが、「そういうものでしょ」という顔をされてしまいます。「いやいや、QuarkXPressは違ったし、これじゃ困るんです!」とアドビの人にも直談判してみたこともあるのですが…
末尾のスクリプトで解決まで読み進めてください。それがベストな解決方法です。
何が困るのか
たとえば、3つの段落があり、次のようにスタイルが充てられているとします。
- 見出し1
- 本文
- 見出し2
- 本文
最初の「本文」の段落を差し替えたいとします。
一般的には、次のようなフローで作業します。
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テキストエディタで差し替えたいテキストをコピー
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InDesignに切り替え、「本文」の段落で4回クリック(段落が選択される)
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ペースト
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すると、本文のスタイルが消え「見出し2」のスタイルが充てられてしまいます。
これは、「4回クリック」によって、段落だけでなく「改段落」のコードまで選択されてしまうことが原因です。
「4回クリック」でなく、段落の先頭から(改行コードを除く)段落の末尾までを選択してもいいのですが、マウス操作が増えてしまったり、何より時間がかかります(それほどではないにしろ、塵も積もれば…で)。
##追記(2016年11月1日):スクリプトで解決
Yusuke S.さん(@Uske_S)がツイートされていたので、お願いしてみたところ…
実は社内で改行を含まずに1行選択するスクリプトを依頼されたので、ついでにその段落版も作ったということですが。アルゴリズムとしては単純で、キャレットが入っている行(段落)の先頭の文字をスクリプトで選択し、行(段落)の最後の文字を選択範囲に追加するだけです。
— Yusuke S. (@Uske_S) 2016年10月31日
なんと!なんと! DTP Transitで配布してもいいよ、と送ってくださいました。
スクリプトですので、次の懸念事項がすべて解決します。
- MacでもWindowsでも使える
- Keyboard Maestroなどを使う必要がない
- 段落の行頭にカーソルがあっても使える
使い方
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[スクリプト]パネルの「ユーザー」で右クリックして[Finderで表示]をクリック
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開いたウインドウに、スクリプトファイルを入れる(InDesignの再起動は不要)
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[編集]メニューの[キーボードショートカット]をクリックして、[キーボードショートカット]ダイアログボックスを開き、[スクリプト]エリアに移動
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一番下に「段落選択_配布版.jsx」が出てくるので、キーボードショートカットを設定する
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[スクリプト]パネルにキーボードショートカットが設定されればOKです。
お願い
利用される方は、Yusuke S.さん(@Uske_S)にお礼のツイートをお願いします!