セッション概要と講演者プロフィール

基調講演:未来をプロトタイプしよう

昨年(2011年)のShift5では、従来のWebサイト制作は終わりつつあるという話をしました。マルチデバイス化が進み、パソコンからの Webアクセスがマイナーな手法になりつつある現在、パソコン中心のWebサイト制作に疑問を感じている方も少なくないはずです。その中で最も今、足かせになっているのが、従来の制作手法でマルチデバイス化を進めている点にあります。
見た目先行によるコンテンツの欠落、インタラクションがわからない静的画像、修正・改善にコストがかかるワークフロー。今までもあったかもしれない課題ではありますが、マルチデバイス化が進むことで『ヒズミ』が大きくなりました。昨年、今年とモバイル機器を見据えた新しい手法が数々でてきましたが、それらも従来の作り方を維持したままでは、制作側の負担がさらに増えるだけです。
今年の基調講演では、新しい作り方を通してWebサイトをデザインするプロフェッショナルでしかできない価値について話します。作るだけではない、手法をそのまま使うだけではない、お客様を先導できるようになるためのヒントをいくつか紹介します。

長谷川 恭久 (はせがわ・やすひさ)

デザインやコンサルティングを通じてWebの仕事に携わる活動家。
アメリカの大学にてビジュアルコミュニケーションを専攻後、マルチメディア関連の制作会社に在籍。日本に帰国後、数々の制作会社や企業とコラボレーションを続け、現在はフリーで活動。
自身のブログとポッドキャストではWebとデザインをキーワードに情報発信をしているだけでなく、各地でWebに関するさまざまなトピックで講演を行ったり、多数の雑誌で執筆に携わる。
著書に『スタイルシート・スタイルブック』『Web Designer 2.0』など。 (http://www.yasuhisa.com/)

2013年に向けて押さえておきたいマークアップ・トレンド20

2012年は、HTML5とCSS3のブラウザサポートの強化、Internet Explorerの古いバージョンの新陳代謝とバージョン10の登場、レスポンシブWebデザインの浸透、CSSやJavaScriptのメタ言語の普及など、昨年にも増してマークアップ界隈の動きが活発になっています。
さらに、Retina Displayの登場やデバイスの画面解像度の多様化で、ピクセルパーフェクトなビットマップ画像が通用しない時代になり、デバイスフォントやWebフォント、ベクター画像の活用が求められること、Google Drive(旧:Google Docs)やjQuery 2がIE 8以下のサポートの打ち切りを発表したこと、HTML.nextやCSS4の取り組みがはじまっていることなど、ユーザー環境、制作環境ともに新しい時代に突入しつつあります。
このセッションでは、仕様、ブラウザ、実装技術、制作フローなど、マークアップを取り巻く新たなトレンドを20個の切り口から解説します。

益子 貴寛 (ましこ・たかひろ)

株式会社サイバーガーデン 代表取締役

1975年、栃木県宇都宮市生まれ。早稲田大学大学院商学研究科修了。学生、社会人と、長らく過ごした東京を離れ、2011年6月から北海道旭川市に在住。
Webサイトのコンサルティング、企画・設計、制作業務、執筆、教育活動に従事。元・金沢工業大学大学院工学研究科 知的創造システム専攻 客員教授。東京と大阪の「宣伝会議」教育講座で、5年以上にわたってWebライティングの講師を担当。
主な著書に『Web標準の教科書』(秀和システム)、『伝わるWeb文章デザイン100の鉄則』(同)、『現場のプロから学ぶXHTML+CSS』(共 著、マイナビ)、『変革期のウェブ』(共著、同)、『ウェブの仕事力が上がる標準ガイドブックシリーズ』(監修、ワークスコーポレーション)など。

小山田 晃浩 (おやまだ・あきひろ)

株式会社ピクセルグリッド
フロントエンドエンジニア
1982年生まれ。2006年よりweb制作会社におけるUI実装や運用を経験した後、2010年からフロントエンド・エンジニアとして(株)ピクセルグリッドに参加。コーポレートサイトを中心に、数々のWebサイトにおけるUI実装を手がけている。Web関連雑誌での執筆活動や技術関連の講演も行うほか、個人のブログ「ヨモツネット」ではHTMLやXML、CSSなどに関する技術の情報を発信している。