オンライン校閲ツール「文賢(ぶんけん)」がとてもよい

この記事は鷹野雅弘によって執筆されました。
公開日:2018年1月 3日、更新日:2018年1月13日
 

数々のオンライン校閲ツールがありますが、昨年(2017年)にリリースされた「文賢(ぶんけん)」がとてもよい感じです。

月額費用 1,980円の有料ツールですが、校正・校閲に時間を要している方なら、十分にリーズナブルです。

  • 校閲支援
  • たとえ表現機能
  • 推敲支援機能
  • アドバイス機能
  • 辞書の編集機能
  • Google Chrome拡張機能
  • スマホやPC環境での文章表示の確認
  • 「文字数」や「漢字の含有率」の確認

なかでも「たとえ表現機能」は他に類を見ない機能。さらに、メンテ(追加)されていくそうです。

なお、月額費用とは別に初期費用がかかりますが、2018年3月末までは「リリースキャンペーン」で半額の5,400円になっています。

文賢の使い方

テキストを入力(ペースト後)、画面上部に表示される「校閲支援」→「たとえ表現」→「推敲支援」→「アドバイス」の順番に画面を切り換えて作業します。

流れに沿って、細かく見ていきましょう。

  1. テキストエリアに本文を入力(ペースト)する

  2. アウトプットする媒体が決まっている場合には[表示幅]を変更する

  3. [漢字の使用率]を確認する:この数字が高い場合には、漢字を“ひらく”ことを検討する

  4. 校閲支援:誤った言葉やら抜き言葉などの自動チェックされ、右側のサイドバーに表示される

  5. [チェック項目]ボタンを押して、チェックする項目を選択することができる

  6. たとえ表現:[キーワードで検索]に入力しながら、たとえ表現への言い換えを検討する(入力した文章に応じて提案してくれるわけではないので、自分で[キーワードで検索]に入力する必要がある)

  7. デフォルトは「一般(慣用句・ことわざ)」。「文賢オリジナル」のタブに切り替えると、文字通り、オリジナルな言い換えが表示される

  8. 推敲支援機能:チェック項目にもとづいて、検討すべき項目が右側のサイドバーに表示される

  9. [チェック項目]ボタンを押して、チェックする項目を選択することができる

  10. 番号をクリックすると、該当箇所まで自動スクロールされる

  11. アドバイス機能:文章構成や表現に関するポイントをリストで確認(内容に応じてアドバイスが出てくるわけではなく、用意されたリストをみながら、自分で考える)

  12. チェック項目の冒頭の○をクリックするとチェックがつく(全部付けたからといって、何も起きない)

  13. [完成した文章をコピー]をクリックして、元の文章に戻す(テキストエリアを選択しておく必要はない)

文賢でできること

文賢でできることをまとめてみました。

文賢のサイトで動画なども公開されているので、ご覧になってみてください。

校閲のチェック項目

  • 誤った言葉のチェック
  • 誤った敬語のチェック
  • 気をつけるべき商標と固有名詞のチェック
  • 差別語や不快語のチェック
  • 誤用しやすい言葉のチェック
  • ら抜き言葉のチェック
  • 重複表現のチェック

推敲支援機能

  • 接続詞をハイライトし、論理展開がスムーズかどうかのチェック
  • 同じ助詞の連続使用のチェック
  • 同じ文末表現の連続使用のチェック
  • 二重否定表現のチェック
  • 一文に読点が4つ以上存在していないかどうかのチェック
  • 50文字以上の文に読点がないかどうかのチェック
  • 漢字で書くほうがよい言葉のチェック
  • ひらがなで書くほうがよい言葉のチェック
  • カタカナで書くほうがよい言葉のチェック
  • 記号が全角に統一されていないかどうかのチェック
  • 英数字が半角に統一されていないかどうかのチェック
  • ユーザーが設定した任意の文字列を使っていないかどうかのチェック

アドバイス機能

  • 【箇条書き】を用いて、スッキリと整理できる箇所はありませんか?
  • もっと短くシンプルに表現できる文章はありませんか?
  • 【結論→理由】【疑問(問い)→結論(答え)→理由】という並びを意識し、読み手の興味を持続させることを意識していますか?
  • 【たしかに●●です。しかし-】を用いて、読み手からの「反論に対する反論」の準備ができていますか?
  • この文章を「誰が書いたか」という【話者】は明らかにしていますか?
  • 読み手が共感できるよう、【感情表現】は入っていますか?
  • 読み手の【自分事】となる言葉や表現は入っていますか?
  • 指示代名詞を使いすぎていませんか?
  • 係り受け(修飾語と被修飾語、主語と述語)の距離は近いですか?
  • 長い修飾語や大きい状況を示す言葉ほど先に置いていますか?
  • 複数の言葉を「と」「や」を使って列挙する場合は、「AとB、C、D」「AやB、C、D」という形になっていますか?
  • 炎上リスクはありませんか?第三者の視点で読んだとき、知らない間に誰かを傷つけていませんか?

文賢の評判

その他のオンライン校正ツール

改めて、どんなツールが存在するのかを調べてみました。

Just Right!6 Pro

一番強力なJust Right!6 Pro(ジャストシステム)がありますが、Windowsのみの対応です。

macOSでは使えないものと思い込んでいたのですが、情報システムエンジニアリングさんのJust Right! 連携プラグイン for InDesignを使うと可能なようです。ただし、macOS版の対応は、InDesign CS4、CS5、CS5.5のみ。

ATOKクラウドチェッカー

ATOKユーザー(ATOK Passport [プレミアム]アカウント)なら、ATOKクラウドチェッカー|JustSystemsにて、Just Right!の文章校正エンジンを使った校正を行うことができます。

次の設定を切り換えて使います。

  • 誤りだけチェック
  • ビジネス文チェック
  • 公用文チェック
  • 表記ゆれチェック

参考リンク

参考リンク(英語)

実際の「文賢」を使ってみての本音のレビュー

私自身が使ってみて感じたことです。

  • 価格と機能のバランスはグッド。というか、企業ユースとしては安すぎるくらい
  • 「たとえ表現機能」はおもしろい反面、「文賢オリジナル」は、ユニークすぎて使いどころが限られそう
  • 「ある程度文書を書いてから、文賢にペースト」と流れが基本だが、たとえばInDesignに流して込んでしまっている場合に、スタイルを保持できないのが残念(このあたり、「Just Right! 連携プラグイン for InDesign」のような使い方ができたら最強)
  • URL内の大文字などは無視して欲しい(「http://www.amazon.co.jp/」に対して、“「Amazon」という言葉に変更したほうがいいかもしれません。”とレビューされてしまう)
  • 接続詞の後の「、」をトルことを推奨されるのが???(あえて、トルのはOK。しかし、基本は残すべき)
  • 表示幅:48文字など1文字単位で変更したい
  • たとえ表現:文章から提案してくれるとありがたい
  • 推敲支援で、チェック項目の色分けの凡例が上にあるとよい
  • 推敲支援で、誤ってチェック項目番号の×をクリックして非表示(=無視)にしてしまったときのリカバリーが欲しい([たとえ表現]に一度戻ればよいけれど)
  • アドバイス機能の「アドバイスのチェック」一覧で○をチェックできることが一見してわかりにくい(□がよい)
  • アドバイス機能の「アドバイスのチェック」一覧で、すべての項目をチェックしたら「すべてチェック完了!」などのメッセージがでるなどの何かが欲しい
  • 完全なリセットでなく、それぞれの段階まで戻る機能が欲しい([アドバイス]で手を入れていて、[推敲支援]の直後に戻るなど)
  • ウィンドウ幅が短いと、画面が見切れてしまう
  • 同音異義語(変換の誤り)のチェックができるとよい

「文賢」導入のシナリオ

次のようなシナリオが考えられます。

  • ライティングに関して経験不足な方:書いた文章を「文賢」に通すことで、「ひらがなで書くほうがよい言葉」や「同じ文末表現の連続使用」、「50文字以上の文に読点がない」などの【推敲支援】を使って、注意すべきポイントを身に付ける
  • ライティングをそれなりに自信がある方:ダブルチェック的な意味合いで書いた文章を「文賢」に通す(ケアレスミス的なものは誰にでもある)
  • 公式ツイートやプレスリリースなどの担当者:「気をつけるべき商標と固有名詞」や「差別語・不快語」、「誤用しやすい言葉」などの【校閲支援】を使って、リリース前に「文賢」に通す
  • もう1ランク上の文章を書きたい方:【たとえ表現】機能を盛り込めないかを検討したり、【アドバイス機能】の項目を見ながら文章を見直す

まとめ

編集や校正というスキルは、得てして属人的なものです。身近に長けた人がいれば、OJTを通して高めていくことができますが、時間がかかります。

その一方、このようなツールを用いることによって、「こんな視点があるのか」という気付きが得ることもできます。

なお、最終的な落としどころを見極めるには、次の2つの指標によります。

  • その企業や製品の世界観やニュアンス、カルチャーを伝えるのに適しているかどうか
  • それを受け取る(利用する)ユーザーが好むかどうか

このあたりはツールではカバーできない範囲です。そういう意味では、このようなツールは、いわば「ライティング・バリデーター」といえます。

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