DSトレンドセミナーレポート -技術セッション-

この記事はあかねによって執筆されました。
公開日:2008年7月10日、更新日:2013年3月12日

大日本スクリーントレンドセミナーレポート第三弾。こっからが本番だ!

スクリーンのトレンドセミナーの真骨頂は、Trueflow開発者による技術情報セミナー。Trueflowを開発している本人が、その内部について説明してくれるという、マニア大喜びな内容。AdobeやQuarkのセミナーは他でも見られるけど、これだけはこのセミナーでないと見られない。

セミナーを受けて、すぐにレポートが書ければよかったのだけど、ぐずぐずしている間に大分時間が開いてしまいました。 以下のレポートはセミナー内でとったメモをもとに書きますが、聞き漏らしたり忘れてしまった部分もあります。あと、部分的に私が補足しているところもありますので、この通りの内容が話された訳ではないです。ご了承ください。

セミナーはまず、PDFワークフロー推進の話から。

今回のセミナーはQuark、Adobeの2社が並んでセミナーを行っている訳だけど、これは決してガチンコ対決ということではなく、PDFワークフローを推進していこうという同じ立場でやってもらっているという話から、PDF出力に絡めて、それぞれのアプリケーション最新機能を説明。

Acrobat 9

Acrobat 9で出力まわりの新機能として、

  • PDF/Xを開くとオーバープリントプレビューが必ずオンになる(いままでは手動でのチェックが必要だった)
  • プリフライトに「規格」という項目が追加された(細かい説明をメモ取り損ねたのですが、PDF/X-1aなど規格にそった変換やチェックがより簡単におこなえるようなツールだと思われます)
  • 出力プレビュー内オブジェクトインスペクタが追加された。クリックするとオブジェクトの詳細情報が表示されるので、いざというところでのオブジェクトチェックにつかえる
  • PDF自体のバージョンは1.7のままで変わらず(PDFに対して新しい機能は追加されていない)

続いてQuark

QuarkXPressがv6になった時、目立った新機能がなかったことから「4.1がOS X対応しただけだ」と言われたが、実は出力側からみると大きな進歩をしていた。 それは「DeviceN」のサポート。 4.1までのQuarkXPressでの出力は、アプリケーションからの分版出力を基本としていた。 つまり、CMYKそれぞれの版を別ファイルとしてPSファイルを作成し、それをRIPにかけるというやり方。これが基本。 対して、v6では、すべての版が一つのファイルとしてまとまったコンポジット出力。これをRIPで分版する(InRipセパレーション)をサポートした。

ここで、古いQuarkXPressからでもアプリケーションで分版せず、一つのファイルとしてPSファイルを作成し、RIPで分版させるやり方ができていたじゃないかと疑問に思う人もいるかもしれない。

確かに、いままでの古い環境でもRIP側で分版させることができていた。これは「DeviceCMYK」用につくられたコンポジットCMYKを利用して無理矢理出力させていた。

※※※(ちょっと補足) 「DeviceCMYK」とはCMYKの4色しかない色空間を指します。CMYKという色があって、特色はそれ以外という扱い。(たとえばカラープリンタのようなデバイスの色空間)だから特色処理はほんとはできないんだけど、そのへんはRIP側でうまく処理していたのでしょう。つまり、古いアプリケーションからはカラープリンタ用のPSしか作れないところをRIP側でうまく処理して出力してたってことだね。 (補足ここまで)※※※

対して「DeviceN」とは「DeviceCMYK」と同じく色空間をさす言葉。「DeviceN」は4色を超えるカラーや、マルチトーンカラーが指定できる。

「DeviceN」と「DeviceCMYK」の違いは

「DeviceCMYK」

  • (データ内に使用していなくても)CMYKの4色が必要
  • (オブジェクトへの指定について)CMYK4色の数値で指定する必要がある。

「DeviceN」

  • (データ内での)色数は自由である(一つのオブジェクトに混合して指定できる色は32色まで)
  • 使われていない色は指定しなくてよい
  • 色名は自由につけられる(cyan、magentaなどの予約語はある)

※※※(ちょっと補足) 「DeviceN」は一言でいうと、すべての色が特色扱いになる。 たとえば、magenta1色しか使っていないデータがあるとする。 このデータを「DeviceCMYK」で表すとCMYKの4色があって、CMYは0%。Mだけが使われている。ということになる 「DeviceN」で表すと「magenta」という1色だけがある。ということになる。 (補足ここまで)※※※

「DeviceN」を使うことによって、InDesignの「混合インキスウォッチ」やQuarkの「Multi-ink」のような様々な特色の掛け合わせを行えるようになった。 混合インキスウォッチの設定ダイアログを見れば、「DeviceN」では使用する色しか指定する必要がないことがわかる。(特色とプロセスカラーの掛け合わせでも、指示するのはプロセスカラー4色のうち、必要な版のみである)

※※※(ちょっと補足) この辺りの説明は、出力の手引きWebに詳しくのってました 出力の手引きWebでの説明 (補足ここまで)※※※

「DeviceN」と「DeviceCMYK」で、大きな違いがでるのは0%の色を指定した時。

Cyan100%、Magenta0%、Yellow25%、Black0%のオブジェクトがあるとする。 この0%の色は「DeviceCMYK」は「色がない」と判断される。 「DeviceN」では「0%の色がある」と判断される。

この判断の違いはオーバープリントの処理で現れる

オーバープリントで重なったオブジェクトに0%の色版があった時、 「DeviceCMYK」では、その色はないと判断されて、その下にあるオブジェクトの色が見える 「DeviceN」では、色のないオブジェクトがあると判断されて、下のオブジェクトの色は見えない。

※※※(ちょっと補足) これは言葉だけで説明するのは非常に難しいので、やはり出力の手引きWebの説明をみてほしい もちろんセミナー内では図による説明があった。 出力の手引きWebでの説明 (補足ここまで)※※※

さて、QuarkXPress6.5では「DeviceN対応」という出力向けの進化があったわけですが、QuarkXPress8でも出力のための進化がある。

  • QuarkXPressから出力されるグラデーションについて、スムースシェーディングで記述されるようになり、なめらかに出力できるようになった。

QuarkXPress5以前のバージョンではグラデーションは特定パターンで記述されており、出力時に滑らかなパターンに置き換えて出力していた。ところが、QuarkXPress6ではたくさんのオブジェクトを並べてグラデーションを表現するという方法に変わったため、それまでの差し替え手法が使えず、結果それまでの出力にくらべて品質が劣化していた。 QuarkXPress8(正確にはQuarkXPress7以降)ではPS、PDFともにグラデーションはスムースシェーディングで記述されるようになり、データが軽く、出力しやすくなった。

メーカーとしての出力対応について

このように、アプリケーションが様々に進化していくわけですが、結局どのように進化しようとも刷れてなんぼであり、出力できなければしょうもない。 では、その出力について、出力機メーカーとしてどのように対応しているのか。もちろん最新アプリケーションであるQuarkXPress8もきちんと検証している。 今回(毎度おなじみ)「出力の手引き」は第12版となり、QuarkXPress8に対応した内容が追加された。

また、手引きの補足情報などは「出力の手引きWeb」でサポートしている。ぜひ見てほしい。

※※※(ちょっと補足) 「出力の手引きWeb」は単なる補足というより、中の人にとって「これは出力の手引きにはおおっぴらには書けないな〜でもどこかで言っておきたいよな...」というこっそり情報を吐き出す場にもなっていると思われる。 読んでいると技術的な情報のあちこちに小さい文字でこっそり本音が書いてある...(笑) (補足ここまで)※※※

ここでどのぐらいきちんと検証しているか、実例を紹介。 PDFファイルの仕上がり線情報。アプリケーションからダイレクトで書き出したPDFであれば、正しく表示されるが、QuarkXPressから出力したPSをDilstillerで処理すると表示されない。

これを正しく表示できるようにするため、取り出したひみつのテキストファイル(何らかの設定が書かれているとおもわれる)をDistillerのとあるフォルダに入れて処理をかけると、ほ〜ら、さっきは表示されなかった仕上がり線が正しく表示されました! このようにいろいろと検証しているので安心して欲しい。

各アプリケーションの設定ファイルまとめた「TrueFlow印刷ユーティリティ」もQuarkXPress8用を用意してあり、出力に必要な情報やツールはすべて一般に公開してる。

Trueflowはv1.0からPDFネイティブRIPとして進化し、PDFの処理に対するノウハウは蓄積されている。そのノウハウをTrueflowSEでのAdobe PDF Print Engineの処理でも投入した。安心してPDFワークフローへ進んでほしい。

と、いったような内容でした。

PDFワーフロー推進のため、出力内部の技術解説を行うというセッションなので、内容はちょっとマニア向け...。 しかし、こういった内容を解説するセミナーは他にないので貴重です。このままマニア路線で突っ走っていっていただきたい(笑)

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5つの「く」

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DTP Transitのコアとなっている制作へ考え方「ムラなく、モレなく、直しに強く、手数を少なく、美しく」を5つの「く」としてまとめてみました。

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