InDesignのアドバンテージ(なぜ、IllustratorでなくInDesign?)

この記事は鷹野雅弘によって執筆されました。
公開日:2009年6月 4日、更新日:2015年6月29日
 

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たった1ページのドキュメントでも、たくさんの文字量があったり、段落スタイルを多用すると、Illustratorでは絶望的に重くなることがあります。Illustratorでとても大きいドキュメントを用意し、そこに複数ページ作る「強者」(つわもの)の方もいますが、ファイルサイズが大きくなるだけでなく、スクロールなどが遅くなるため、あまりオススメできません。

機能として文字組みの機能はありますが、Illustratorはパーツを作る位置づけのアプリケーションです。ある程度の文字量や複数ページで構成される「ページもの」の場合には、「InDesign」の使用を視野に入れるとよいでしょう。

単純な文字組みだけを考えても、InDesignには次のようなアドバンテージがあります。

  • ルビ(ふりがな)
  • 段落境界線(段落前後に設定する罫線)
  • 先頭文字スタイル(文字スタイル適用の条件設定)
  • アピアランスを使わずに実現できるフチ文字
  • インライングラフィック(文章中に挿入する画像)
  • 表組み

「ページもの」の多くはフォーマットとなるデザインがあり、それに準じて各ページが作り込まれます。Illustratorで同じフォーマットを繰り返し使うには、「テンプレート」を使うことができますが、そのフォーマットに変更が生じたら、各ドキュメントを開いてそれぞれ修正しなければなりません。 Illustrator CS4の複数のアートボードや、シンボルなどを組み合わせても思うようにいかない場面が生じるでしょう。アドビもことある毎に「アートボードはページではない」と強調していますが、わざとページとして使えないようにショボく実装しているのではないかと勘ぐってしまうほどです。

一方、InDesignでは、フォーマットを「マスターページ」として作成します。マスターページと、各ページはリンク関係にあるため、マスターページの修正は即座に各ページに反映します。また、自動ノンブル機能を使うと、ページ番号を自動で挿入してくれますので、ページのさしかえなどが生じても未修正のミスを回避できます。

  • マスターページ機能
  • 自動ページ番号
  • ブック(複数のドキュメントをまとめ、ページ番号を通したり、スタイルを同期する)
  • 目次と索引

そのほか、プリフライト機能(出力前のチェック機能)やパッケージ(画像の収集)機能など、InDesignには、出力を前提とした機能が強化されています。

IllustratorとInDesignは、似ているようで異なる点が多く、最初はとっつきにくいところがあると思いますが、検討する価値は多いにあるでしょう。

追記(2010年2月13日):

あかつき@おばなのDTP稼業録 【Illustrator】ページ物を作るメリット?にて、InDesignには自動保存機能がある、と言及されていました。これは非常に心強い機能です(アドビの全アプリにほしいですよね)。

参照:

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