InDesignドキュメントの互換性問題
これまで何度か取り上げてきていますが、InDesignドキュメントには下位互換性がありません。たとえば、InDesign CS5で作成したドキュメントを、InDesign CS6で開いた場合、InDesign CS5では開けなくなります。

そのような意味からも、Mac環境であれば、ドキュメントごとに制作したバージョンで開くためのユーティリティ「InDesign Glee」は必須です。
IDMLを介してのバージョンダウン
InDesignは、Illustratorのようにバージョンを変更して保存することができません。InDesign CC/CS6/CS5.5/CS5であれば、「IDML」保存(書き出し)を行うことで、 下位バージョンで開くことができますが、あくまでこれは“応急処置”。完全な互換が保証されるものではありませんので、なるべく避けたいものです。
- InDesign CC/CS6では、[別名で保存]ダイアログボックスで「InDesign CS4以降(IDML)」を選択する

- InDesign CS5.5/CS5では[ファイル]→[書き出し]ダイアログボックスで「InDesign Markup(IDML)」を選択する

- 元のINDDドキュメントが100MB近いものでも、IDMLファイルは1MBにも満たないことがありますが、これが正常です。InDesignでIDMLファイルを開くと元のファイル容量に戻ります。
まとめると、次のように整理できます。
| 作成バージョン | 方法 | フォーマット | 読み込みバージョン | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| InDesign CS3 | InDesign CS4 | InDesign CS5 | InDesign CS5.5 | InDesign CS6 | |||
| InDesign CS4 | 書き出し | INX | |||||
| 書き出し | IDML | ||||||
| InDesign CS5 | 書き出し | IDML | |||||
| InDesign CS5.5 | |||||||
| InDesign CS6 | 別名で保存 | ||||||
| InDesign CC | |||||||
