InDesign CSとInDesign CS2との違い
最近、よく「InDesign CS2って、CSと比べてどうですか?」と聞かれます。細かいところでかなり手が入っています。実際の制作では、この細かいところほど、ありがたかったりしますよね。リストアップしてみました。
Macintoshに関しては、InDesign CS2からアクティベーションが必要になったこともあり、バージョンアップを躊躇している方も少なくないようですが、バージョンアップフィーを払っても十分に元が取れると思いますよ。
なお、アドビのサイト内の[InDesign CS2主な新機能]というページでは、各新機能をFlashムービーで確認することができます。
- InDesignスニペット
- ページ上のテキスト、読み込んだグラフィック、InDesignで作成したオブジェクトをBridgeにドラッグ&ドロップして登録し、再利用できる。基本的にはInDesignのライブラリと同じ。よいグラフィカルに確認できる点でスニペットに利点がある。
- オブジェクトスタイル
- フレームに対するドロップシャドウや角丸の設定や、テキストフレーム、段落スタイル、テキスト回り込み設定の組み合わせなどを登録して、再利用できる機能。リンクしているので一括更新も可能。
つまり、段落スタイルのグラフィック版といえるが、フレーム内のテキストに対しても段落スタイルを適用できる点が◎。ただし、フレームの幅や高さの設定はサポートされないのが残念。
なお、Smart Styles 4を利用すれば、テーブルへのスタイル適用など、さらに突っ込んだ設定が可能。
https://www.koyoshagraphics.jp/item_list.php?category=18 - スタイルの選択的読み込み
- ほかのINDDファイルからスタイルを読み込む際、必要なスタイルのみを読み込むことができるようになっています。
- スタイルのクイック適用
- command+return、Ctrl+Enterのキーボードショートカットにより、スタイル名の先頭文字をタイプしてスピーディに適用することができる機能。
各スタイルにキーボードショートカットを適用しておけば済む話ともいえますが、選択しているオブジェクトに対して段落スタイル、文字スタイル、オブジェクトスタイルから設定可能なものが呼びされるなど、意外に便利です。 - WYSIWYGフォントメニュー
- フォントメニューのプレビュー機能。ただし、その分、表示が遅くなるのが難点。環境設定でON/OFFを設定可能。
- 動的スペルチェック
- スペルミスの可能性のある単語に自動的に下線を付ける機能。
- フレームベースのベースライングリッド
- ページ単位のベースライングリッドと独立して、フレームごとにベースライングリッドを設定できるようになりました。
例えば、本文とサイドバーでは、フォントサイズ/行送りが異なるので、当然、ベースライングリッドの値も異なります。フレームベースのベースライングリッドによって、ページ間でそれぞれのアイテムごとのベースライングリッドを統一できます。 - アンカー付きオブジェクト
- 簡単にいうと、Microsoft Wordライクに読み込みグラフィックを扱えるようになりました。
読み込みグラフィックだけでなく、テキストフレームに対しても設定できるのでサイドバーにおいたテキストフレームが本文の増減に応じて自動的に移動するようになります。
アンカー付きオブジェクトには、回り込み設定もできるので、テキストが増減する可能性のある制作物では飛躍的に作業(というか修正)がラクになります。 - 変形を再実行
- 移動、拡大/縮小、回転等の変形を行った後、ほかのオブジェクトに再実行できます。
複数オブジェクトを選択している場合、まとめて適用するか、個別に適用するかを決定することができます。 - 複数ページのPDF読み込みのサポート
- 複数ページのPDFを読み込む際、InDesign上で連続して各ページを配置していくことができるようになっています。
- 下位互換性
- InDesign CS2から「InDesign互換」形式(INX)で書き出すと、InDesign CSで開くことができます。ただし、当然、InDesign CS2独自の機能はサポートされないので注意が必要です。
InDesignは、2/CSでまったく互換性がないことで困った方が少なくないと思いますが、ちょっとだけマシになりました。 - 箇条書きスタイル
- 連続する段落に、自動的にナンバリングすることができるようになりました。操作手順などのドキュメント作成では非常に役立ちます。