縦組み対応で大変なのは、機能的なものよりもコンテンツ(というか文章)の編集作業

この記事は鷹野雅弘によって執筆されました。
公開日:2013年4月12日、更新日:2014年3月 6日
 

2007年7月にマイナビ(当時はマイコミ)から文庫スタイルの『変革期のウェブ』という書籍をリリースしました(私は企画、編集、DTPを担当)。

絶版になって久しいということもあり、今年(2013年)になってEPUBで再リリースしました(下部にパブーのリンクを掲載。無償です)。

元が縦組みだったのでそのままでもよかったのですが、横組みにすることにして再編集しました。これがムチャクチャ大変な作業だったのです。

「横組み ←→ 縦組み」の変換で必要な編集作業

「横組み ←→ 縦組み」の変換は、単純に組方向を変えるだけでなく、次のような作業が必要です。

  • 横組みでは「Twitter」「Web」とするところ、縦組みでは「ツイッター」「ウェブ」のようにカタカナで扱うことが多い(アルファベットのままだと、書籍の内容によっては読みにくい)
  • 横組みでは「12,000人」とするところ、縦組みでは「一万二千人」のように記述する。この変換は手作業でないと厳しい。
  • 横組みでは「1行」とするところ、縦組みでは「一行」のように記述する。でも、「一連」や「一番」、もちろん、「一所懸命」は漢数字のまま、これも単純に置き換えられませんので、すべての文章をチェックする必要がある。

いうまでもなく、上記は「縦組み → 横組み」だけでなく、「横組み → 縦組み」も同様ですよね。私個人の意見としては、電子書籍において、縦組みにこだわりすぎるのはどうかな、と思ったりします(もちろん、元原稿が縦組みであれば、それを流用するのはよいと思いますけれど)。

規格やリーダーが対応しているから、といって、単純に組方向変えればいい、というわけにはいきませんし、真の縦組み対応には、きちんとした編集作業が不可欠です。

ただでさえ、予算が取られていることが少ないですが、編集作業の予算を組み込まないと悲惨なことになります。

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『10倍ラクするIllustrator仕事術』改訂版

『10倍ラクするIllustrator仕事術』(増強改訂版)は、2011年発売の『10倍ラクするIllustrator仕事術』の改訂版。

2014年に技術評論社から発売、現在6刷。2011年版と合わせて38,000部のロングセラーとなっています。

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