InDesignに、こんな機能あったらいいな 1(文字列の罫囲み)

この記事は瀧本 浩二によって執筆されました。
公開日:2012年7月31日、更新日:2015年1月 9日
 

私は、仕事柄、学習参考書モノ(学参モノ)を組むことが多いのですが、InDesignには、学参モノを組むために必要な機能があまりありません。

あったらいいなシリーズ(続くかはわかりませんw)としての1回目。「文字列の罫囲み」についてです。

この機能は、学参モノをやるやらないに関わらず、多くのユーザーが必要としている機能ではないでしょうか。インラインでやればいいじゃんって意見もあるとは思いますが、数が多いときは現実的な方法ではありません。スクリプトを使うにしても、皆がスクリプトをスラスラ書けるわけではありません。

DTP素人さん(学校の先生など)がWordで原稿を作ってきたりしたモノを、イメージを崩さないようにInDesignに持ち込みたいとき、「Wordでできることが、プロ用のソフトでできないの?」という、至極まっとうな疑問を突きつけられて、こちらも返答に困るというわけです。その代表格が文字列の罫囲みです。

これは何もInDesignに限ったことではなく、古くはQuarkXPressの時代にもいわれていて、そのたびにとても苦労しました。QuarkXPress 3.3くらいまでは、XTension(InDesignでいうところのプラグイン)がけっこう盛んに開発されていて、それらに助けられていました。

文字列の囲みも、「下線革命」というXTensionを利用することで実現できていました。QuarkXPressのろくでもない下線機能を、大幅に拡張する素晴らしいXTensionで、文字列の囲みまでできましたし、タグ付きテキストで処理することも可能でした。Print Onlyの専用XTensionがないと印刷できないというところがちょっと扱いづらかったですが。ちなみに、QuarkXPress 9の今も、下線機能はろくでもないです。

さて、InDesignですが、要望としては散々挙げています。そして、先日のINDDでも岩本さんが、「これは実現可能なのではないか」という判定を下していました。中途半端に実装されても困るので、実現するに当たって、文字囲み機能に必要なオプションを、以下に列挙します。

  1. 線種を選べる
  2. 線の太さを指定できる
  3. 罫で囲まれた範囲の色を指定できる
  4. 囲んだ罫の角オプション設定で、シェイプとサイズが指定できる
  5. 文字列と罫のオフセット値が指定できる(文字方向・行方向とも)
  6. 行頭と罫、行末と罫、罫の前の文字とのアキ、罫の後の文字とのアキの指定ができる
  7. 囲みが行末に掛かったときの、泣き別れのオン・オフができる
  8. 以上の設定が、文字スタイルに設定できる
  9. タグ付きテキストで扱える
必要とする罫囲みオプションはこんな感じです。私の経験上、ここまでできてほしいです。

moji_retsu_kakomi.png

国産DTPアプリ「EDICOLOR」には、上記にかなり近い機能が実装されています。ないのは、6と7くらいですかね。4は苦しいか。といったところ。

ところでCS6には、テキストフレーム設定に「自動サイズ調整」というオプションがつきました。これを文字方向のみ伸縮可能にしておいて、そのテキストフレームをインラインオブジェクトとして文字列に挿入しておくと、囲み罫内の文字数が不定の時には、非常に便利です。1つ残念なのは、インラインオブジェクトには下線が引けないということ。学参モノで囲み罫として使うとなると、使う場面は限定されるかもしれません。

kakomi2.png

手っ取り早く今すぐ実現したいということであれば、株式会社エステンナイン京都の「囲み罫プラグイン」を使ってもいいかもしれません。ある程度のことは実現できます。

値段が高いか安いかの判断は、仕事の質や囲みの出現頻度により左右されますね。なお、出力先にもプラグインがないと出力できません。相手先にお試し版を入れていただくか、PDFにするなどの工夫が必要です。

YouTube

DTP TransitのYouTubeチャンネルです。1分前後のクイックTipsを投稿しています。

チャンネル登録

Twitter

本サイトの記事以外に、小ネタやタイムリーな話題などをツイートしています。

マンスリーでまとめています。

このページの上部に戻る