Illustratorでプレビュー(アートボードサイズ内のみ表示し、ガイドを非表示にする)

この記事は鷹野雅弘によって執筆されました。
公開日:2017年2月11日、更新日:2017年4月28日
 

InDesignには「プレビュー」という機能があり、キーボードショートカットひとつで「仕上がりサイズのみ表示しつつ、ガイドは非表示にする」ことができます。

裁ち落としまでオブジェクトを広げている場合、印象が異なりますので、仕上がりサイズのみの表示は必要です。

Illustratorでも同様のことを実現する方法について考えてみます。

手順

手作業では、次の手順で行います。

  1. アートボードサイズの長方形を作成
  2. [レイヤー]パネルの[クリッピングマスクを作成]ボタンをクリック(または、[レイヤー]パネルメニューの[クリッピングマスク]をクリック)
  3. 手順1の長方形でレイヤー全体がマスクされるので、念のためロック
  4. ガイドを非表示に(裁ち落としの赤いカラーも非表示に)

手順2から手順4まではアクションで設定可能ですが、「アートボードサイズの長方形を作成」だけは、Illustratorの基本機能では実現できません。

そこで、GOROLIB DESIGNさんのスクリプトを使います。

アクションとスクリプトの合わせ技(1)

「 app.doScript("レイヤーのクリッピングマスク","セット名"); 」のように、アクションを実行するスクリプトを用意します。

Keyboard Maestroのマクロに、2つのスクリプトが順番に実行されるように登録し、キーボードショートカットを設定します。

アクションとスクリプトの合わせ技(2)

GOROLIB DESIGNさんのスクリプトの最終行に、「 app.doScript("レイヤーのクリッピングマスク","セット名"); 」のように、アクションを実行するスクリプトを書き足します。

Keyboard Maestroだけでなく、SPAi(macOS)、Ai Script Assist(Windows)を使ってキーボードショートカットを設定します。

マスクの一時的解除

「<クリッピングパス>」という名称のレイヤーを非表示にすると、マスクが一時的に解除された状態になります。

オブジェクトベースのクリッピングマスクと異なり、再編集を行うときにとても作業しやすいのがナイスです。

スクリプトの使い分け

三階ラボさんも、アートボードサイズの長方形を描くというスクリプトを提供されています。

こちらは、マージン設定(負の値も設定できる)が可能ですが、長方形がレイヤーの最下部にできてしまいます。

Gorolib 三階ラボ
描かれる場所 レイヤー内の最前面 レイヤー内の最背面
マージンの設定 なし 可能

レイヤーのクリッピングマスクは、最前面のオブジェクトが対象になりますので、長方形を最前面に移動する手間が必要になってしまいます。

注意点

レイヤーのクリッピングマスクは、同一レイヤー内のみが対象です。複数レイヤーを使っている場合には、サブレイヤーなどをうまく組み合わせます。

まとめ

標準機能で欲しい…

追記

Illustrator CC 2019で[トリミング表示]という機能が追加されました。

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