Shaperツールとライブシェイプ、「グループの抜き」で作るドーナツグラフ

この記事は鷹野雅弘によって執筆されました。
公開日:2016年4月 2日、更新日:2016年4月 7日
 

次のようなドーナツグラフを作成します。

Illustrator CC 2015から追加されたShaperツール、ライブシェイプ、そして、「グループの抜き」を使って、後から編集しやすいことを念頭において作成してみます。

下準備

グラフとして塗りを設定したいとき、[円グラフの開始角度]に入力する値を次のように計算しておきます。

たとえば、18%に設定したい場合、Illustratorの入力フィールドでは、「360-18*3.6」のような計算はできませんので、次のように2段階で計算します。

  1. 18*3.6(=18*360/100)を計算する(64.8)
  2. 360-64.8を計算する(295.2)

Yosemite以降であれば、Spotlightで「360-18*3.6」と入力して、(一発で)計算できます。

もちろん、Alfredなら、どのバージョンでも可能です。

手順

ドーナツグラフを作る手順です。3つのオブジェクトを使用します。

  1. Shaperツールを使って正円を作成する

  2. 正円を同じ座標に複製し、カラーを変更

  3. [変形]パネルで[楕円形の角度]を90に設定する

    右横にあった[角度ウィジェット]が真上に移動します。

  4. [円グラフの開始角度]に下準備で計算した値(295.2)を入力する

  5. ひとまわり小さい正円を作成する(最初に描いた正円を同じ位置にペーストして、縮小するとよいでしょう)

  6. 不透明度を0%に設定する

  7. 3つのオブジェクトを選択してグループ化し、 [不透明]パネルで[グループの抜き]を0%に設定する

  8. 完成

修正したい場合には、グループ編集モードで、円グラフのオブジェクトのみを選択して編集します。

まとめ

今回のチュートリアルでは、3つのオブジェクトがグループ化されています。

最前面から

  • 中央の円:透明度0%「グループの抜き」によって透過される
  • グラフ部分:ライブシェイプによって、表示部分をコントロール
  • 背面の円:外側の円を表現する

雑感

“パックマン”のような形状を作りたいときにはいいのですが、円グラフとしてライブシェイプを使う場合、[角度ウィジェット]が右にあるのが意味不明ですし、また、[円グラフの開始角度]の値をもっと単純に入力したいですよね。

っていうか、「開始角度と終了角度、逆やん」って思うんですけど…

donut-graph-b from swwwwitch on Vimeo.

もしかしたら、もっとシンプルなやり方があって、私が見落としているだけかもしれません。ツッコミいただければ嬉しいです。

グラフツールと不透明マスクで作るドーナツグラフ

「グラフツールを使えばいいんじゃない?」とも思いますが、グラフツールでがんばりすぎると、開けなくなってしまうなど、トラブルの元です。

それでも、グラフツールを使って、ドーナツグラフを作るには、不透明マスクを使うとよいでしょう。

  1. グラフツールを使って、円グラフを作成する
  2. 円グラフの中心から、くり抜きたい部分にあたる正円を描画し、「塗り:黒、線:なし」に設定する
  3. グラフと正円を両方とも選択し、[透明]パネルの[マスク]をクリック
  4. [クリップ]のチェックをはずす

不透明マスクでは、白いところが表示、黒いところが非表示になります。クリップがオンになっていると、オブジェクトのみが表示されますので、これをオフにします。

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