いただいた質問とその回答 2017(Illustrator)

この記事は鷹野雅弘によって執筆されました。
公開日:2017年12月31日、更新日:2018年1月28日
 

2017年に講師を担当したセミナーにて、セミナー前後やアンケートにていただいた質問への回答をまとめました。ババーンと58件、まとめて掲載します。

もっといい方法や異なるアプローチがあれば、ご指摘くださいますとありがたいです。なお、質問いただくときには、口頭だと何かと厳しいので、サンプルファイルを持参いただくとスムーズです。

目次

Illustratorで[A]PDF/X-4、[B]PDF(アウトライン化やイラレ機能を削除)の2パターンを作成しています。アクションからショートカットキーを作成しようとしましたが、ファイル名が同一となり、上手くいきませんでした。解決方法を教えてください。

片方を[複製を保存]にされてはいかがでしょうか?(「のコピー」がファイル名に付いてしまいますが…)。

Illustratorのアクションは、ファイル名の扱いなどが上手くありませんので、このようなことをする場合には、スクリプトの利用を検討されるのがよさそうです。

フォントがないというアラートが出るが、どこにあるのかわからない。調べてみると、孤立点だった。探し方などを教えて欲しい。

こちらにまとめました。

「アプリケーション同士のショートカットを揃える」→ やっぱりしないといけないですよね…

はい。ただし、急にがっつりと差し替えると生産性が著しく下がりますので、、地道に揃えていきましょう。

「オプティカル」で詰めているとき、テキストボックスを縮小すると、組みが変わりませんか?

変わりますね。

「オプティカル」は、Illustratorで文字の形状を判断して詰めますが、縮小の度合いによっては、フォントのヒンティング(滑らかさの程度)が変わり、これによって、組みが変わってしまうようです。

吉田印刷所さんからTwitterでコメントいただきました。ありがとうございます!

文字サイズを変更すると、行間が乱れてしまいます。何かよい策はありませんか?

こちらにまとめました。

Illustratorに配置する画像の形式は何がいいですか? 昔はEPS形式が基本でしたが…

現在、EPS形式は使いません。PSDまたはTIFF、JPEGがよいでしょう。

次のような図を描きたい。どうすればいいでしょうか?

次の3つのアプローチが考えられます。

「ファイル名を一意にする」とのことでしたが、フォルダー名も同様でしょうか?

フォルダー名はダブってもよいでしょう。

たとえば、IllustratorやInDesignでパッケージ(ファイルの収集)を行うときに、Linksフォルダーを作成しますが、このフォルダーはこの名称でないと機能しないことがあります。

ExcelからIllustratorにコピー&ペーストできるのですか?

Windows環境でも問題なく可能です。OSを問わず、元のデータによって、グループ化やクリッピングマスクが何重にもかかっていることがあります。

また、元データによっては、テキストが強制的にアウトライン化されてしまうことがあります。

テキストボックスの連結はどのように行うのですか?

次のいずれで行います。

  • 複数の長方形を選択し、[書式]メニューの[スレッドテキストオプション]→[作成]をクリック(長方形がテキストボックスに変換され、連結される)
  • テキストボックスの右下のOUTポイントをクリックし、テキストボックスを作成したい箇所でクリックする

テキストボックスは、現在、正確には「エリア内テキスト」と呼ばれています。

画像はリンクするものだと思っていたのですが、埋め込みで使うのはどんなときでしょうか?

Illustratorには、現在、パッケージ機能(画像とフォントの収集)があるので、リンクのまま制作を進め、要所要所でパッケージします。

一方、InDesignを中心とする場合、InDesignは孫画像をパッケージしません。つまり、PSDファイルをリンク配置しているAIファイルをInDesignに配置している場合(case B)には、PSDファイルが収集されません。

このような場合には、IllustratorドキュメントにPSDファイル埋め込んでしまえば、「リンク切れ」や「リンク画像の消失」などのトラブルから逃れることができます。

なお、[モザイクオブジェクトの作成]など、埋め込んでいないと使えない機能があります。

スクリプトを利用する

孫画像の収集については、スクリプトを使うこともできます。

Webデザインを考慮されないデザイナーさんからのWebデザインという課題

知らないからこそ、制限におさまらないデザインができるということもありますが、何かと困りますよね。

おさえておきたいので、文字関連とピクセルグリッド問題です。

まず、文字関連に関しては、下記ができません。

  • 文字組みアキ量設定
  • 合成フォント
  • 端数のポイント設定(設定をしても丸められる)

次の項目は、設定をがんばったり、ブラウザーによってサポートしています。

  • カーニング
  • ジャスティファイ(行頭行末揃え)

Webフォントの導入で少し事情は変わりつつありますが、紙系の方は、文字まわりへのこだわりが強く、そのあたりの制限について理解いただかないことには、せっかくのデザインを活かすことができません。

ピクセルグリッド問題

一方、ピクセルグリッド問題。

こちらは、何かとややこしいのですが、[ピクセルプレビュー]をONにして作業することで、多くの問題は解決します。最低限、これだけでもお願いできる関係だといいのですが…

こちらの記事もご覧ください。こちらのアップデート版を制作中です。

パス上テキストの扱いが煩雑。いい方法ないですか?

パス上テキスト(およびエリア内テキスト)から、パスのみを選択するスクリプトがあります。

テキストの編集には、三階ラボさんのEdit Textsを使うとよいでしょう。パス上のテキスト以外の編集にも必須です(無料版と有料版のProがあり)。

Illustratorでルビを扱うことはできませんか?

割注と文字スタイルを併用すると、実現できなくはないです。

詳しい手順については、『10倍ラクするIllustrator仕事術』(増強改訂版)のpp.128-129に掲載していますので、ご覧ください。

最終的なデータの保存方法について:社内でのデータ保存がバラバラで体系つけられていないため、検索などに時間がかかる。個人のPCのHDDやNAS、メディア(CD BlueRayDiskなど)などでそれぞれが保管している状態。最終的には社内で共有や検索、編集などを考えた場合、どのように保管するのがベストか知りたい。

複数人で作業されるのでしたら、バックアップの意味も含めて、Dropbox一択だと考えます。

また、保存場所もですが、ファイル名が重要だと思います。ファイル名だけ見れば開かなくてもわかるようにすると、何かと利便性が高まります。

  • 内容
  • プロジェクト名
  • リビジョン番号
  • ファイル名

たとえば、「logo.ai」は、「logo-ABCproject-20170710-v1」のようにします。

保管するデータは案件ごとに保管するのと作成、保管した日時で保管するのとどちらがいいですか?

案件ごとがよいと考えます。

NASで保管する場合、フォント(外字他)の埋め込みなどに対応しているか?

Illustrator形式では、フォントの埋め込みには対応していません。 Illustratorドキュメントと同じ階層に「Fonts」フォルダーを作り、そこに入れておくとよいですね。

値組みを行うとき、よいフォントはありますか?

モリサワ、フォントワークスともに、値組み専用フォントをリリースしています。

デフォルトではインストールされないので、別途、インストールする必要があります。

モリサワ

モリサワからは、8書体のフォントがリリースされています。

Vが付いているものは、縦組み用です。

  • MOKuikomi-FigA.otf
  • MOKuikomi-FigB.otf
  • MOKuikomi-FigC.otf
  • MOKuikomi-FigD.otf
  • MOKuikomiV-FigA.otf
  • MOKuikomiV-FigB.otf
  • MOKuikomiV-FigC.otf
  • MOKuikomiV-FigD.otf

食い込み詰め

モリサワの値組み専用フォントでは、[前後関係に依存する文字]をオンにすることで“食い込み詰め”が可能になります。

フォントワークス

LETSサイトにログイン後、[各種ダウンロード]の[フォント]の中に次のフォントが用意されています。

  • OCR−Bフォント
  • 二分三分四分数字フォント
  • チラシ用数字フォント

チラシ用数字フォントは44種類(うち22種類が縦組み用)用意されています。

Times New Romanを好んで使っています。全角数字が入力できないのですが…

欧文フォントは、半角の英数字と記号類しか持っていません。全角英数字を扱うには、和文フォントを利用する必要があります。

Times New Roman Boldであれば、「見出ミン」(モリサワ)が近いイメージです。

ベースラインを変更すると、均等配置ができなくなってしまいます。

[オブジェクトの分布]を利用しましょう(間隔を数値で設定することはできませんが…)。

スクリプトを使っていたのですが、Illustrator(Photoshop)をアップデートしたら消えてしまいました。

最近のIllustratorやPhotoshopは、最新版をインストールする際、古いバージョンを削除してしまいます(設定によって、消さないようにすることも可能)。

その際、スクリプトファイルは、アプリケーションフォルダー内にあるために消えてしまうのです。そこで、原本は別の階層におき、シンボリックリンクを使いましょう。

シンボリックリンクとは

シンボリックリンクは、Macでいう「エイリアス」、Windowsでいう「ショートカット」に近いものですが、アプリケーション(やOS)から「実体があるもの」として見なされます。

これを使って、PhotoshopやIllustratorをだますことができます。

OS cf. ユーティリティ
Mac エイリアス
Windows ショートカット

リンク画像への応用

「project A」フォルダーのシンボリックリンクを作成し、異なるプロジェクト内の配置すると、同階層のIllustratorファイルから「project A」内の画像へのリンクが可能です。

Illustrator CC以降、.aiファイルと同階層のLinksフォルダーは特別なフォルダーとして扱われます。

『10倍ラクするIllustrator仕事術』の表紙のようなランダムなストライプを作りたいのですが…

手順としては、こんな感じです(PDFでダウンロード)。

次のスクリプトも役立ちます。

ご参考:

画像に対してシンボルを設定すると軽くなりますか?

まず、前提条件として、シンボルには、リンク画像を含めることができません。

結論からいうと、画像を軽く扱うには、リンクのままにすることです。同じ画像であれば、ドキュメント内で複製してもドキュメントのファイル容量は増えません。

単品 10個 備考
シンボルなし リンク 11.2MB 11.2MB 個数が増えても変わらない
埋め込み 25.9MB 125.4MB
シンボル 埋め込みのみ 26MB 125.4MB シンボル化しても同様

「地下謎」というサンプルはどのように作られていますか?

次のように行っています。

  1. 白い塗りを追加してオフセットで太らせ、[変形]効果で少し右下にずらします
  2. グループ化し、「内容」の背面に線を追加

ドキュメント上でオブジェクトを選択し、[オブジェクト]メニューの[アートボード]→[アートボードに変換]をクリックすると、元のオブジェクトは消えます。しかし、[アートボードに変換]にキーボードショートカットを設定してから、実行すると、元のオブジェクトは残ります。これはなぜですか?

不思議な挙動ですね(バグといえます)。統一されるべきですが、そのようになっているようです。

外部の方から、IllustratorのDICのバージョンについて聞かれました。同じDICの番号でも、年代によって色味が変わることがあるのですか?

アップデートされているようです。

PDFをIllustratorで開いたとき、編集可能な場合とそうでない場合があります。

PDFは、いろいろな素性で作成されます。どのようにPDFを書き出すかの設定セットは「PDF(書き出し)プリセット」と呼ばれます。

「Illustrator 初期設定」以外のプリセットを選んだときには、Illustratorでの再編集は基本的に不可能だと考えるのが無難です。

アピアランスで“アウトライン化されたことにする”という「オブジェクトのアウトライン効果」を使えば、相手先にそのフォントがなくても大丈夫ですか?

いいえ、同じフォントがあることが前提です。

相手先に同じフォントがない場合には、アウトライン化する必要があります。

アピアランスの[形状に変換]効果を使っているとき、整列でうまく揃いません。

環境設定の[プレビュー境界]オプションにチェックを付けてください([整列]パネルのパネルメニューから設定することもできます)。

慣れてくると頻繁に切り換えることになりますので、スクリプトを使ってオンオフを行うのがオススメです。

アピアランスを設定しているとき、オーバープリントは大丈夫ですか?

[アピアランス]パネル内での塗りや線を「塗りアピアランス」、「線アピアランス」と呼びます。

たとえば、「塗りアピアランス」を選択している状態で[属性]パネルで[オーバープリント]を設定すれば、その「塗りアピアランス」のみにオーバープリントが設定されます。

これを使って、意識的にオーバープリントを設定しましょう。

その他、下記のエントリーをご覧ください。

尾花さんがコメントされるように、ライブカラーを利用して白に変更するときなどに注意してください。

スペースバーを押して[手のひらツール]に変更できなくなってしまった。どうすればいいですか? 2台あるうち、1台だけおかしいのです。なお、Windows版を利用しています。

この件に関しての原因はわかりません。

何か問題が起きるときには、条件をひとつだけ変更する「比較実験」で、どこに問題があるのかを調べていきます。

  1. 問題が発生しているPCで、異なるIllustratorのバージョンをインストールしてみる(CC以降、異なるバージョンを同時にインストールできます)
    • [A]特定のバージョンのみで問題が発生する場合には、そのバージョンに関して何か問題があると考えられます。
    • [B]すべてのバージョンで問題が発生する場合には、そのPCで何か問題があると考えられます。
  2. [A]の場合には、次をやってみましょう
    • 起動時に、Ctrl+Shift+Altキーを押して、初期設定をクリアしてみる
    • 環境設定ファイルの再作成を行う(参考

単純に、GPUプレビューをオフにすると直るかもしれません(GPU パフォーマンス機能に関するトラブルシューティング)。

ライブカラーを使うときに、スウォッチを参照することはできませんか?

次の2つの方法があります。

  • 参照させたいカラーグループを作成し、[オブジェクトを再配色]ダイアログボックスの右側「カラーグループ」で参照する
  • 新規のアイコンをダブルクリックします。

    • [カラーピッカー]ダイアログボックスが開くので、[スウォッチ]ボタンをクリックする(リスト表示のみ)

版の数を減らすときに、ライブカラーは使えますか?

カラー数のコントロールを使ってなんとかできそうなのですが、難しいようです。

スレッドテキストを利用時、ボックス最後の文字送りがおかしい

検証してみましたが、再現できませんでした。お困りであれば、サンプルファイルをお送りください。

どうしてもお困りの場合には、アウトライン化して調整するなどの対応が必要です。

Illustratorのテキストまわりで、これをやっておけばいい、これを読んでおくといい、などを教えてください

手前味噌ですが、『10倍ラクするIllustrator仕事術』(増強改訂版)の「Chapter 4:文字組み回りでラクするコツ」をご一読ください。

雑誌『+DESIGNING』に文字や組版関連の特集が組まれますので、それもオススメしますが、Illustratorに特化した内容ではありません。

アピアランスを使うと重くなりますか?

基本的に、劇的に重くなることはありません。ただし、下記の処理は重くなりがちです。

  • スタイライズのドロップシャドウ、ぼかし、光彩(内側・外側)
  • Photoshop効果(全般)
  • 3D効果

つまり、ビットマップ処理を加えると重くなります。

クリッピングマスクをかけた後のパスに対して線を設定してもよいでしょうか?

基本的には避ける方が無難です。

過去に、クリッピングマスクのパスに設定したカラーが飛んでしまうことがありました。

別オブジェクトにすればよいだろうと思いきや、「一旦ファイルを閉じてから開きなおした際に前面に配置していたパスが消え、クリッピングマスクに線の属性が継承される」というファンキー仕様があり、これを回避する方法として、色を付けたパスは異なるレイヤーにおくというお作法でした。

Twitterでアンケートを取ってみました。現在のCCでは大丈夫そうですが、念のため、「クリッピングマスクのパスにはカラーを付けず、別レイヤーにおくのが無難です。

Illustratorの3D機能が使いにくいので、使いやすい方法があれば知りたいです。

Illustratorには、次の2つの3D機能があります。

いずれも簡易的なものですので、あきらめた方がよいと思います。

ご参考までに、2Dと3Dアセットのリアルな合成を簡単にできるグラフィックデザイナー向けの3Dツール「Adobe Dimension CC(旧Project Felix)」という製品がリリースされています。

2Dと3Dアセットのリアルな合成が簡単にできるグラフィックデザイナー向けの3Dツール

Illustratorのバージョン互換については、どのように考えていればよいでしょうか?

Illustrator CC以降、同じドキュメントバージョン(v.17)が使われていますが、CCとCC 2014で、すでに互換性がありません。

CC 2014以降は落ち着いていたのですが、最新版のCC 2018にて、いろいろと問題が出て来ています。

基本的に、InDesign同様、「(マイナーアップデートを含め)作成したものと同じバージョンで開く」ことを原則にする方がよさそうです。

macOS環境であれば、同じバージョンで開くようにするユーティリティもあります。

これまでEPSにて運用していましたが、これからPDF/X-4に移行しようとしています。注意点などがあれば教えてください。とりあえず、スジが出てしまうなどの現象が出てしまっています。

EPSは「PDF/X-4」との混在がうまくありませんので、これまでのデータを流用する場合にご注意ください。

「スジが出てしまう」のは、意図せず、分割されてしまっていることが原因です。

アートボード同士は整列できますか?

Illustrator CC 2019(2018年10月リリース)以降は、アートボードを複数選択し、[整列]パネルで整列を行えます。

それ以前のバージョンまでは、残念ながらできません。

  • ガイドにも吸着しない
  • アートボードのエッジをドラッグするとガイドに吸着するが、アートボードサイズが変わってしまう
  • [アートボードの再配置]は帯に短し…

コントロールパネルでX、Y座標を使って整列させていくくらいしかありません。

ドキュメントサイズのPDFに変換したいのに、「塗り足し」の領域までのサイズになってしまう

適切なPDFプリセットを選択しましょう。

PDFプリセットにて、「Illustrator初期設定」を選択していると、[ドキュメントの裁ち落としを使用]オプションがオンになり、ドキュメントの裁ち落としの値が反映されます。

「Illustrator初期設定」を使用したい場合には、[ドキュメントの裁ち落としを使用]オプションをオフにして、値を0に設定します。

逆をいうと、印刷用の「PDF/X」を選択しても、塗り足し(やトンボ)は設定されませんので、入稿先に応じて変更する必要があります。

Illustrator CC以降、長方形や楕円形を描画すると、ライブシェイプになってしまいます。これをオフにする方法はありませんか?

残念ながらありません。

スクリプトがよくわからなかった

スクリプトは、いずれもブラックボックスのアプリケーションのようなもので、中味を理解したり、開いて編集する必要は(基本的には)ありません。

スクリプトファイルには「.js」または「.jsx」の拡張子がついていますが、テキストファイルです。

jsは「JavaScript」の略です。Macでは「AppleScript」、Windowsでは「VBScript」というものが使われてきましたが、ここ数年、MacでもWindowsでも動作する「JavaScript」が主流になっています。

あまり難しく考えず、よさげなスクリプトをダウンロードし、Illustratorの[その他のスクリプト](command+F12/Ctrl+F12)で実行して試してみてください。

なお、スクリプトファイルを開いても、暗号化されていることもあります。

複数のアクションを1クリックで完了できる簡単な方法を知りたい

新規アクションを作成し、ほかのアクションを実行すると、そのアクションが記録されます。

つまり、アクションからアクションを実行することができますので、そちらで行うのがシンプルです。

スクリプトの利用

テキストファイルに次のように(app.doScript(アクション名, セット名);)入力して、拡張子をjsxにして保存すると、アクションを順番に実行できます。

app.doScript("110%", "S2A"); app.doScript("リフレクト%", "S2A");

このスクリプトに対してキーボードショートカットを設定する方法もあります。

アクションからスクリプトを実行する

従来、スクリプトを操作する作業をアクションに登録しても、Illustratorを再起動後に消えてしまう仕様でした。Illustrator CC 2018以降、覚えてくれるようになりました。

複数行のテキストを、行後とにバラバラにするのは、どのスクリプトですか?

「テキストばらし」というスクリプトです。「イラレで便利」というサイトで配布されていましたが、先頃、タクトシステムさんが改良版を出されました。

フォントの種類・サイズ・色などの書式が保持されます。

テキストまわりのキーボードショートカットについて、まとめてものが欲しかった。

こちらをご参照ください。

「グループの抜き」がうまく適用されないことがある

「グループの抜き」を用いても透明である部分が透明にならないことがあります。

この場合には、GPUプレビューをオフにしてみてください。

地図で「ここから海」を表現するのにパスにグラデーションをかけたい

Illustrator CS6以降、線に対してグラデーションを設定できます。

その際、[グラデーション]パネル内に3つのオプションがあります。

  • 線にグラデーションを適用
  • パスに沿ってグラデーションを適用
  • パスに交差してグラデーションを適用

今回のケースでは、[パスに交差してグラデーションを適用]を設定するとよいでしょう。

また、グラデーションには、不透明度を設定することができるので、これを併用すると「だんだん透明になっていく」が実現できます。

なお、その際、「塗り」を設定すると、重なり部分の色が濁ってしまうので、[位置]を「50%」に設定するとよいでしょう。

データがPowerPoint形式で、イラレに変換するのですが、キレイに効率よくサイズ合わせて、かつ、コピーもできる変換方法はありますか?

結論からいうと、ありません。

PowerPointとIllustratorは、そもそも違い過ぎます。 現在、どのような方法を取られているのかがわかりませんが、次のアプローチが考えられます。

  • PowerPoint上のオブジェクトをコピーし、Illustratorのドキュメント上でペーストする
  • PowerPointデータをPDF変換し、IllustratorでそのPDFを開く

現実的なのは、「PowerPointデータをPDF変換し、IllustratorでそのPDFを配置する方法」です。ただし、こちらの方法では編集は不可能です。

たとえば「文章の中の“。”のみを赤くしたい」といった操作をスクリプトでできますか?

こちらのスクリプトを試してみてください。

なお、「正規表現」を使うと「サーバーとサーバをサーバーに統一する」「段落の先頭にハイフンを入れるなど」、複雑な検索置換が可能になります。

Illustratorのデフォルトの検索置換では使えませんが、原稿整理に役立ちますので、ぜひ、正規表現は掘り下げてみてください。

入稿前にテキストのアウトライン化を行う必要がある場合、「すべてのオブジェクトを選択し、テキストのアウトライン化」では、シンボル内のテキストは対象になりません。

この場合には、次の手順を踏みます。

  1. すべてのオブジェクトを選択
  2. [シンボル]パネルを開き、[シンボルへのリンクを解除]ボタンをクリック

これによって、シンボルが解除され、シンボルインスタンスに使われていたテキストもアウトラインの対象となります。

もちろん、テキストが使われているシンボルごとにテキストのアウトライン化を行ってもよいでしょう。

ただし、いずれの操作も“直しに強い”データのためには避けるべき手法です。入稿用に別名保存してから行いましょう。

[フォント検索]ダイアログボックス内

[フォント検索]ダイアログボックス内の[変更]ボタンに♣が表示されることがあります。これは、シンボル内のテキストを示します。

[シンボル]パネルをアイコンパネルとして表示すると、♣で表示されます。

[形状に変換]効果を使って枠を付けたり、背景に長方形を追加すると、テキストの天地中央にならないのですが…

[オブジェクトのアウトライン]効果を用います。これは、「テキストのアウトライン化をしたことにする」という効果です。

アクセシビリティ対応のため、コントラスト比を調べて調整するなどの機能はありますか?

Illustrator、PhotoshopにはCS4以降、「色の校正」機能があり、「カラーユニバーサルデザイン向け 各色覚のシミュレーション」を行うことができます。

コントラスト比を調べるのでしたら、専用のツールを使うのがよいでしょう。

iPhoneのアプリもあります。

Illustratorで特色のかけ合わせを行うには

次の3つの方法があります。

  • [A]各特色をプロセスカラー(CMYK)で代用して制作する
    • 青系統の特色ならシアンを、赤系統の特色ならマゼンタを使って制作する
    • ブラックは、意図せぬオーバープリントの可能性があるので使わない
  • [B]アピアランス
    • 塗りを追加し、ノセたいカラーを設定し、オーバープリントを設定
    • 塗りを追加し、ノセたいカラーを設定し、乗算を設定

  • [C]パターンスウォッチを使う
    • オブジェクトを複製し、ノセたいカラーを設定し、オーバープリントを設定
    • オブジェクトを複製し、ノセたいカラーを設定し、乗算を設定

使い分け

  • シンプルなのはA
  • B(アピアランス)の場合、文字単位での変更ができない

確認方法

[分版プレビュー]パネルを開いて確認します。

毛筆で描かれたものを使うには、どんなアプローチがありますか? Illustratorの画像トレースでパス化していますが、重くて仕方ないのです…

次のアプローチがあります。

  • [A]ビットマップのまま使う
  • [B]画像トレースでパス化

ビットマップのまま使う

グレースケールのまま使うほか、1200dpi、白黒二値でスキャンします。

「モノクロ2階調」および「グレースケール」の場合、TIFF形式で保存すれば、Illustrator内で着色できます。

画像トレースでパス化

次の3つをお試しください。

  • 画像トレースを行うとき、[画像トレース]パネルのオプションを調整します。

  • [オブジェクト]メニューの[パス]→[単純化]をクリックして[単純化]パネルを開き、パスを単純化します。

  • 有料のプラグイン、VectorFirstAidの[Super Smart Remove Points]を使います。

デモの中で、キーボードショートカット一発で、「塗り:黒」、「塗り:白」にされていましたが、どのようにされているのですか?

アクションを使い、そのアクションにキーボードショートカットを設定します。

こちらをダウンロードし、解凍後、[アクション]パネルメニューの[アクションを読み込み]で選択すると、お使いいただけます。

会社でフォントを揃えてもらえない… 商用利用可で無料で使えるフォントを教えて欲しい

Notoフォント、源ノ角ゴシック/源ノ明朝

Googleとアドビ(など)が共同開発したNotoというフォントがあります。正式には、Googleは「Noto Sans」、アドビは「Source Hans」、「源ノ角ゴシック」「源ノ明朝」と読んでいます。

ともに、7ウエイトあり、字形も豊富に揃っています。

  • Creative Cloudメンバーは、Typekit経由でアクティベートします。
  • 非Creative Cloudメンバーは、Googleのサイトからダウンロードしてください。
  ゴシック系 明朝系
Google Noto Sans Noto Serif
アドビ Source Han Sans Source Han Serif
源ノ角ゴシック 源ノ明朝
リリース 2015年 2017年
ダウンロード Googleから Googleから
アドビから アドビから

Typekit

Creative Cloudメンバーの方は、現在、88の高品位な日本語フォントを利用できます。

欧文を含めると、1,176ファミリーに対応。

フリーフォント

「フリーフォント 商用利用可」のように検索すると、たくさんのサイトが出てきます。こちらがよくまとまっています。

その他

macOS/WindowsでIllustratorドキュメントをやりとりするときなどに、微妙にフォント名が異なっていたりで、フォントを検索置換する場面があるのですが、ダイアログボックスが使いにくいし、面倒で時間がかかります。何かいい方法はありませんか?

これ!という解決方法がないのですが、いくつかのアプローチをご紹介します。

アクションを利用する

[書式]メニューの[フォントの検索]を使ったフォントの検索・置換は、アクションに記録ができます。

このとき、[置換するフォント]のデフォルトは「最近使用したファイル」になっていますので、置換したいフォントがドキュメント内にない場合には「システム」に変更します。

アクションを作成したら、ダイアログボックスアイコンをクリックして、ダイアログボックスを非表示にします(「モードコントロール」といいます)。

なお、うまく置換されない場合には、[アクション]パネルメニューの[再生オプション]をクリックして、[パフォーマンス]を「ステップごと」に変更します。

アクションからアクションを呼び出すことができますので、フォントの検索置換のアクションを細々作成し、まとめて実行するようにするとよいでしょう。

スクリプトを利用する

これが動くとベストなのですが、Illustrator CC 2018では動きません。

このあたりを調整するとできそうです。

AppleScriptなら可能

AppleScriptなら可能のようです。

フォント名の取得

こちらにある「G205_FontName.jsx」でフォント名を取得できます。

プラグイン

こちらにマニュアルがありますが、フォントの検索置換のクエリーをリスト化することはできないようです。

こんなサービスも

参考

アピアランスを使っているときに、見た目のように揃いません。

環境設定の[プレビュー境界を使用]をオンにしてください。

[プレビュー境界を使用]は、スクリプトを使い、それにキーボードショートカットを与えるのがスピーディです。

タイムラインのデモのときに、自動で連番にしていたスクリプトはどれですか?

三階ラボさんの「接頭辞・接尾辞・連番テキスト追加」です。

グループの抜きを使いたいのですが、出力が心配です。

心配な場合には、[オブジェクト]メニューの[透明部分の分割・統合]をクリックし、表示されるダイアログボックスにて[アルファ透明部分を保持]オプションをオンにして分割してください。

なお、「グループの抜き」は、(純正のアドビのPDF以外の)次のアプリケーションなどでは対応していません。

  • Keynote
  • プレビュー.app

言い換えると、macOSでは、PDFをネイティブで扱えるようになっていますが、グループの抜きは解釈できません。

どのように情報を得ているのか、また、どこで新しい情報を公開しているのか

現在、DTP Transitでは、それなりの分量になる記事のみ公開しており、小ネタ的なものは、Facebook/Twitterにポストしています。

また、DTP関連の方は、主にTwitterにてやりとりされていますので、下記の方々を手始めにフォローを増やされていくとよいでしょう。

なお、『10倍ラクするIllustrator仕事術』(増強改訂版)にはサポートページというものがあり、追加情報、および、次回の改訂版へのネタ帳を公開しています。

IDとパスワードは、4ページに掲載しています。

グラフィックスタイルへの登録・適用のところで、スポイトだとフォントも変更されましたが、グラフィックスタイルの適用だと変更になりませんでした。グラフィックスタイルにもフォントまわりの情報を含めることはできますか?

グラフィックスタイルには、フォント情報を含めることはできません。

逆に、フォント情報を含めたくないときには、[文字スタイル]オプションをオフ、行揃えなどの情報を含めたくないときには[段落スタイル]オプションをオフにします。

ここでの文字スタイル、段落スタイルは、[文字スタイル]パネル、[段落スタイル]パネルとは関係ありません。

シンボルやライブカラーを使っても出力は大丈夫でしょうか? 現在、おつきあいのあるところでは「アピアランスは分割、テキストはすべてアウトライン化」するように言われています。

シンボルやライブカラーは、ある意味、出力には無関係ですので心配不要です。ただし、シンボルを縮小したとき、少し心配な部分があります。その場合には、すべてのシンボルのリンクを解除するとよいでしょう。

なお、「アピアランスは分割、テキストはすべてアウトライン化」は10年以上前の考え方です。現在は、PDF/X-4が主流。闇雲に分割せず、そして、テキストはPDF内に埋め込むのがよいでしょう。直しに強いデータ作りを行っても、出力がボトルネックになってしまうということは、制作サイドの負担が増えるだけです。そのコストに見合うものかどうか、シビアに検討された方がよいと思います(出力費用は安くあがっても制作費というコストがかさむなら、コスト増になってしまっていることもある)。

ライブカラー(オブジェクトの再配色)に、どんなキーボードショートカットを与えていますか?

command+F3です。

以前は、command+option+shift+C(color)に設定していましたが、片手(左手のみ)で呼び出せるようにしたところ、ものすごくはかどります。

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マンスリーでまとめています。

『10倍ラクするIllustrator仕事術』改訂版

『10倍ラクするIllustrator仕事術』(増強改訂版)は、2011年発売の『10倍ラクするIllustrator仕事術』の改訂版。

2014年に技術評論社から発売、現在6刷。2011年版と合わせて38,000部のロングセラーとなっています。

詳しくはサポートサイトにて。

画像:『10倍ラクするIllustrator仕事術』改訂版

Illustrator CC 2021(2020年10月リリース)への対応版準備中です。全ページ書き換えていますので、2021年版を待たずに、2014年版を(も)ご購入ください。

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